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ニューオープン・レビュー

Quniomi le neo bistrot (恵比寿/ネオビストロ)
Quniomi le neo bistrot
(恵比寿/ネオビストロ)

2012/3/6オープン

余分なものを削って繊細なフレンチを気軽に

オードブル「新玉葱のブラマンジェ」1750円。タマネギを低温でじっくりローストし甘みを引き出した。口当たりの良さと上品な香りが印象的。フロマージュブランとレモン汁のクリームでまた違う変化が訪れる

恵比寿駅東口から広尾方面へ続く裏通りは、多くの人が行き交い、おいしそうな匂いを漂わせている飲食店が軒を連ねている。このエリアなら、間違いなくおいしいお店と出合えそうだ。青いファサードが目印のビストロ『Quniomi le neo bistrot』は、早くもその仲間入りを果たしている。


メインより「鴨の胸肉のロースト コブミカンとオイルのジュ」2900円。シンプルなローストで、ソースもさらっとしたテクスチャー。添えられたナスとトマトを途中で崩して絡めていただくのがおすすめ。鴨の味の輪郭が引き立つ

この店で腕を振るう小林邦臣シェフは、日本での修業の後に渡仏、たまプラーザ『レ・サンス』のスーシェフや元町『ラール』のオープニングシェフを務め、南青山『アディング・ブルー』を経て、3月に恵比寿に店を構えたというベテラン。ストレートな店名はシェフの名前から付けたが、「K」ではなく「Q」にしたのは「Q」という文字のもつフランスらしさと“Qualite Prix”、つまり付加価値の高さを表しているという。ちょっと身構えてしまいそうだが、この店は本場フランスで主流となっている『ネオビストロ』。一流店で腕を磨いたシェフが、カジュアルな価格や雰囲気のビストロスタイルで提供してくれるお店だ。洗練されつつも、ほっとする温もりを感じられる空気感と、オープンキッチンから聞こえる音や匂いに自ずと期待が高まる。


「とにかくまずは食べて知ってもらいたいですね。普段使いできる重くない、飽きないフレンチを目指します」と小林シェフ。フムスやクスクスといった、フランスでは定番のメニューもぜひ試してみたい

さまざまな経験を積んだシェフが提供する料理は、意外にもシンプル。いろいろと重ねていくにつれ、余分なものを削ぎ落とすようになっていったという。始めから最小限の工程で作るのではなく、一度、きちんと構築されたものから、バランスを見て削っていく。足し算になりがちな料理に引き算を施すのは、熟練された腕がなくては成り立たない。だからこそ、口に運んだ瞬間の香りの広がり方、噛んだ時に溢れる食材の旨みのバランスなど、繊細さがぎゅっと詰まっている。例えば、小林シェフがこだわっているという「香り」。ハーブやスパイスの使い方はもちろん、焼いた肉、熟成させた肉とその香りを生かすことで、味に深みや緩急を感じられるのだ。


「仕立てはビストロ、味は妥協のないフレンチ」ときっぱり断言するシェフ。ランチは平日1200円から、ディナーはアラカルトメインで、コースも用意。ビストロの定番「パテ・ド・カンパーニュ」から「蛤と色々な野菜のギリシャ風マリネ タイの香り」といったどこかエキゾチックなものまで幅広い。おいしいものを食べることに余念のない人が多い街にぴったりの新しいビストロが誕生した。

人通りの絶えない裏通りに佇む、青と白を基調にしたビストロ。テラスが8席あり、愛犬連れでの利用も応じてくれる

 
Data
Quniomi le neo bistrot(クニオミ ル ネオビストロ)
電話番号: 03-6721-6910
住所: 渋谷区恵比寿1-24-12 1F

撮影:山村佳人  取材・文:伊勢嶋暢子(編集部)
このページのデータは2012年4月27日現在のものです。

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