食材本来の旨味をしっかり楽しめる 身体と心にやさしいスペイン料理

見た目だけではわからない飲食店のこと。食材、歴史、人柄、こだわり、コンセプト…
お店“ならでは”の情報を教えてもらって、もっとおいしく、もっと気軽に食事を楽しもう。


オーナーシェフが語る
『サウダージ』の手引き

無肥料・無農薬の野菜に
天然ものの活け魚介類を揃える

寄席の『末広亭』を基点に広がる新宿三丁目界隈。リーズナブルな飲食店が密集しているエリアとしても知られている。「なので少し異端な存在かもしれません」と話すのはオーナーの小黒氏。客単価は7000円。決して安くはないが、食材を知れば納得。完全無肥料・無農薬栽培の「スリーエフ農法」や「波動農法」で育てられたオーガニック野菜、活け専門の業者から仕入れる魚介類など、自分がおいしいと思った材料のみを厳選する。「カルパッチョも天然魚を活け締めにしているので、素材の持つ旨味をしっかり楽しめます」。料理には超高性能浄水システムで分子領域まで不純物を除去した水を使用。化学調味料は一切使わない。「ワインも酸化剤の少ない、身体にやさしいしものだけを約100種選んでいます」。ここまで徹底的に素材こだわったスペイン料理店は、ほかに無いだろう。

料理がおいしいのは当たり前
必要なのはホスピタリティー

北海道網走市や三重県伊勢市といった全国の契約農家から毎日直送される野菜に、毎朝築地で調達する魚介類。それらすべてを夕方の開店に向けて午前中から仕込んでいく。「銀座の超有名寿司店と仕入れ先は一緒。そんな活きタコをガリシア風に、車海老をアヒージョに使うお店なんて…自分でも珍しいと思います」。しかしその一方で、おいしい料理を作るだけではダメだともいう。「お店の良し悪しは、総合的なもの。一番大事なことはホスピタリティーです。気を付けていることは、自分にとっての当たり前が人によって違うということ」。そもそもお店の雰囲気は、来店者や日によってもさまざま。そこを含めて居心地の良い空間を創造していくことが最も大切なことだという。「食事は空腹を満たすものではなく、楽しむものです。居心地が悪いと、せっかくのおいしい料理も不味くなりますから」。

“好きこそものの上手なれ”
発展し続けるスペイン料理

時間を見つけては「全国食材探し行脚」に出向く小黒氏。優れた食材を見つけたら、自ら生産者と契約。積極的に料理に取り入れ、常にブラッシュアップを続けているという。「食べることも、飲むことも大好き。だから食材もワインも、とことん追求してしまって…ほとんどライフワークです」と笑う。メニューにはスペイン料理のほかに、美食の街として知られるスペイン・バスク地方の料理も並ぶ。「北海道産の真鱈を使ったバスク風煮込みも、調味料は塩だけ。食材がしっかりしていれば、それだけで十分においしくなるのです」。“好きこそものの上手なれ”。安価なお店が集まるエリアで異彩を放つ名店。今後の発展にも注目したい。

<「以前はワインバーだった」というだけあって、インテリアは重厚感のある造り。「ちょっと贅沢したい若い人にも、落ち着いた空間でワインと食事を楽しみたい人にもぴったりです」とオーナーシェフの小黒裕司氏>


~このお店にオススメの人~
「スリーエフ農法」の野菜など、安心・安全な食材を食べてみたい人
食材本来の旨味をしっかり楽しめるスペイン料理に興味のある人
新宿三丁目界隈で、居心地の良いカウンター席のあるお店を探している人

店名サウダージ
住所東京都新宿区新宿3-9-3 第2江戸金ビル3F
電話番号03‐3356-3009
店舗情報https://bimi.jorudan.co.jp/shop/32917/


撮影:鈴木智哉
このページのデータは2013年12月26日現在のものです。

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