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ニューオープン・レビュー

Table d’hote 三軒茶屋一丁目食堂 (三軒茶屋/フレンチ)
Table d’hote 三軒茶屋一丁目食堂

(三軒茶屋/フレンチ)

2014/12/17オープン

気軽に通いたい 上質なカウンターフレンチ

ガレット・コンプレ

定番の「ガレット・コンプレット」。香ばしいガレット生地の内側はしっとり、チーズや卵が一体となり、ハムの旨味を包み込む

 ワインバルや立ち飲み屋が並び、気軽に楽しめる街・三軒茶屋。地元民で賑わうが、排他的な雰囲気はなく、誰でも自然に馴染める間口の広さが特徴。南口から商店街を抜け、閑静な住宅地に差し掛かったあたりにオープンした『Table d’hote 三軒茶屋一丁目食堂』も、そんな雰囲気に魅かれてこの地にお店を構えた。


フォアグラのフラン「フォアグラのフラン」。フランとパルメザンチーズの香る泡をつなぐルビーポルトのソース。フォアグラの濃厚なコク、ふわっと香るチーズ、ポルトの甘酸っぱさのバランスは絶妙

 レンガの外壁、シックにまとめられた店内は、キッチンを囲むカウンター8席のみ。腰を降ろせば、ワクワクした期待感でいっぱいに。腕を振るう宮腰シェフは、イタリア料理『グラナーダ』、フレンチ『ロブション』という名店で研鑽を積んだ料理歴約20年のベテラン。これだけ揃えば、やはり高級店なのでは…と躊躇してしまうが、実はディナーコース4900円のみという良心的なフレンチのお店。凛とした空気感が漂いながらも、堅苦しさはない。シェフは「イタリアのシエナの美しさに憧れて、住んでみたくて料理人を志した」という。イタリアンを習得するうちに、もっと技術の幅を広げたいと、緻密さも求められるフレンチの世界に飛び込む。『ロブション』ではブーランジェリーも経験、日本橋『ル カフェドゥ ジョエル・ロブション』などのシェフを経て、満を持して独立した。


宮腰シェフ「気軽に楽しんでいただきたいです。地元の方に愛されるようなお店になれば」と語る宮腰啓介シェフ。店名に「食堂」とあるように、日常的に通いたくなる魅力で満ちている

 料理はフレンチを主軸に、パスタなどイタリアンを加えた構成。メインは国産そば粉を使った「ガレット」。カフェやクレープリーでガレットを食べられても、コースの中でいただけるお店は珍しい。「ロブション氏に褒められた」という逸品は、無駄のない鮮やかな手さばきで焼き上げる、まさに主役にふさわしい一品。旨味の濃い酵素ポークのハム、卵、チーズを包んだクラシカルな「コンプレット」のほか、「生ハムとサラダ」「牛ホホ肉と菜の花」など、ほぼ日替わり。そのほか、前菜やスープは『ロブション』仕込みのフレンチ、パスタやパンは『グラナーダ』のイタリアンと、いいとこ取りなのだ。ワインはイタリア産で、グラスでも赤・白を各3種も用意。料理に合わせていろいろと楽しめる。また、21時以降のバータイムには、アラカルト注文が可能。グラスワインとパスタ、ガレットとシードルなんて注文もOK。土日のランチタイムにはガレットのみを提供している。


 これまでの集大成を詰め込んだ料理だからこそ、シェフひとりですべてをこなす。3種のパンや小菓子にいたるまで自家製だ。つまり、シェフのもてなしを存分に堪能できるということ。「大事にしているのは基本に忠実であること。地方料理や伝統料理、自分なりのエッセンスをプラスした料理を作ります」という宮腰シェフ。たった8席の特等席で、一流の料理を気軽さとワクワクをもって楽しめる。人に教えたくない、とっておきのお店が誕生した。


店内

シックな木造りの店内は調度品にもシェフのこだわりが詰まっている。シェフの城ともいえる厨房を一望できるので、期待感は増す一方だ

 
Data
Table d’hote 三軒茶屋一丁目食堂
(ターブルドット サンゲンヂャヤイッチョウメショクドウ)

住所:世田谷区三軒茶屋1-27-31
電話番号:03-5787-6385

撮影:山村佳人  取材・文:伊勢嶋暢子(編集部)
このページのデータは2015年3月9日現在のものです。

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