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ニューオープン・レビュー

Le vin quatre (目白/フレンチ)
Le vin quatre
(目白/フレンチ)

2013/3/27オープン

名店のエッセンスを凝縮したフレンチを気軽に楽しむ

メインより『ル・ブルギニオン』の内臓料理をベースにした「ロニョンとリードヴォーのパナシェ」。腎臓、胸腺の食感や旨みの違いに驚かされる

学習院大学の向かいに、石造りの壁が印象的なフレンチレストランがオープンした。全20席のややこぢんまりとした空間は、数々の名店で腕を磨いてきた北野智一シェフの新天地。目白とはやや意外な場所だが、「落ち着いた客層の方が多く見える場所です」という。大きなガラスから、春は桜、夏は濃淡のある緑、秋にはイチョウの黄色と、移ろいゆく自然を眺められ、店内に彩りを添える。


前菜より『コム・ダビチュード』の一品をシェフなりにアレンジした「メリメロサラダ」。ひとつ1つに丁寧な仕事ぶりが感じられる

恵比寿『レトワール』、中目黒『コム・ダビチュード』(現在は閉店)で研鑽を積み、西麻布『ル・ブルギニオン』ではスーシェフを7年も務めた北野シェフ。「もともと将来は独立しようと考えていましたが、『ル・ブルギニオン』で5年目の時に自分自身の生活が変化し決意が固まりました」と、弱冠33歳で独立。厨房の壁をスタッフで塗り、大きな額縁もシェフ自らが造るなど、急ピッチで準備を進める。努力の甲斐あって、店を辞してわずか1カ月半後、桜の開花と同じころに開業を迎えた。


「フランス料理にはワインありき。ぜひワインと一緒に楽しんでください」と北野シェフ。秋から本格始動する予定

料理はクラシックなフレンチがベース。『レトワール』では、ソースをしっかりと作ること、一品ごとのクオリティーを求めることを叩き込まれた。オープンキッチンだった『コム・ダビチュード』では、客と一緒に作り上げる空気感の大切さを痛感。そして『ル・ブルギニオン』では、看板の内臓料理を会得しワインの知識を深めるとともに、客に愛される、距離の近い店造りに感銘を受けたという。これらに、シェフのオリジナリティーを加えて供されるのは、絶妙なバランスの上に成り立つ繊細なフレンチ。素材とじっくり向き合うからこそ、個々が自己主張しすぎず、お互いを引き立たせている。食材は信頼のおける八百屋や肉屋から、それぞれの強みを生かしたものを取り寄せる。「最高級品を使えば、おいしいのは当たり前です。それに頼らず、素材の良し悪しをきちんと見極め、いかにおいしく料理して喜んでもらえるかが料理人の仕事です」と語る。


そこまでこだわりながらも、「フレンチの敷居の高さを払拭し、もっと気軽に味わってほしい」と、できるだけリーズナブルに設定した。さらに選べる楽しさを知ってほしいと、ランチ2500円、ディナー5400円からのプリフィクスコースのみ。ワインは100種以上を揃え、現在は8割がプルゴーニュ産。コストパフォーマンスのいい料理とならワインの選択肢も広がるはず。名店のエッセンスを継承するフレンチとのマリアージュを楽しめる、そんな一軒が誕生した。

白を基調にしたシンプルモダンな店内。存在感を示す鮮やかな絵画、芸術作品のような料理、そして窓外の景色も際立たせてくれるよう

 
Data
Le vin quatre(ル・ヴァンキャトル)
住所: 豊島区目白2-3-3 目白Yビル1F
電話番号: 03-5957-1977

撮影:山村佳人  取材・文:伊勢嶋暢子(編集部)
このページのデータは2013年7月30日現在のものです。

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