Bouchon d’OR リヨンの居酒屋
(銀座/フレンチ)
「ニシンの燻製入りリヨン風サラダ たまご添え」1180円。ニシンの燻製の香りと酸味にポーチドエッグのまろやかさが加わり、すべてが調和した絶妙の味わいに
“料理の鉄人”でも知られる代官山『Chez AZUMA』の東敬司シェフが手がけた新店舗『Bouchon d’OR』が銀座5丁目にオープンした。“Bouchon(ブション)”とは、ワインのコルク栓を意味する言葉だが、リヨンでは地元の人々が集う庶民的な居酒屋的レストランのこと。フランスのなかでも外食文化が発達し“美食の街”といわれるリヨン。そんなリヨンのブションの伝統料理と和気あいあいの雰囲気を伝えようとオープンしたのがこの店だ。
「スズキのクネル オマール海老のソース」。クネルはリヨン伝統料理の代表ともいえるもの。濃厚なオマールエビのソースはパンにつけて残さずに堪能したい
リヨンは海のない内陸部に位置しているため、肉の内臓などの煮込み料理や川魚やニシンの燻製、卵・チーズなどを使った料理が発達しているのが特徴。ディナーメニューには「豚肉のリエット」「たまごのグラタンリヨン風」「リヨン特製!香草入りクリームチーズ」「リヨン特製!温かいサン・マルスラン(チーズ)をのせたサラダ」「リヨン名物!牛トリップのパン粉焼き」、豚の血とクリームを合わせソーセージ風に仕立てた「ブータン ノワール」など、伝統的なリヨン料理の数々がずらりと並んでいる。どれも東シェフが「リヨンよりおいしいと思いますよ」とにっこり微笑む自信作ばかりだが、なかでも「スズキのクネル オマール海老のソース」は必ずオーダーしたい逸品。クネルとは魚のすり身を使ってつみれ状にしたもので、リヨンでは「ブロシェ」という川カマスを使うのが伝統だが、この店ではスズキを使用。ふわふわのまろやかなクネルを楽しむことができる。オマール海老を使ったソースも海老の香りや味が凝縮した豊潤な仕上がり。濃厚でありながらもクセはなく、クネルとの上品な味のハーモニーを楽しむことができる。
(後列左から)戸塚支配人・東シェフ・藁谷さん、(前列右)小林さん・森さん。「お好きなものを食べて飲んで、ワイワイ・ガヤガヤ楽しんでいただくのがブションのスタイルです。どうぞお気軽にお立ち寄りください」
ランチにはお得なコース料理も用意されているが、ディナーはアラカルトで自由気ままに楽しむスタイル。ワインもボトルで2600円~とリーズナブルで、軽い料理やサラダをつまみにワインを楽しむのもいいし、しっかりお食事をするのもお好み次第。ひとりでもグループでもいろいろなシーンで気軽に利用できそうだ。日本の“美食の都”銀座に、またひとつ要チェックの店が誕生。“銀座でフレンチ”という敷居の高さをまったく感じさせない気さくな雰囲気とおいしい料理とワインが癒してくれる。
肩ひじ張らずに普段使いできるうれしい店。女性ひとりでも気がねなく利用できそうなカウンター席のほか、奥には一段上がった落ち着けるスペースも設けられている
このページのデータは2009年9月30日現在のものです。