思い出横丁・2丁目・ゴールデン街…
新宿のディープな夜を探検
眠らない街・歌舞伎町に、昭和のムードが立ちこめるゴールデン街や思い出横丁、日本一のゲイタウン・新宿二丁目…新宿の夜はとっても濃くて刺激的。でも、そんな妖しげなエリアこそ、なぜか心魅かれてしまうもの。今回はちょっとドキドキしつつ、ディープな新宿の夜を散策してみましょうね。
【新宿 MAP】
きらびやかなネオンが輝く、夜の新宿。靖国通りをホストたちが闊歩し、出勤前のキャバ嬢が足早に歌舞伎町へと消えていく…。何かとギラギラしたイメージがつきまとうこの界隈ですが、そんな猥雑さがこの街の魅力であることも事実。今回は、新宿夜遊び初心者でも安心(?)して楽しめる、ちょっとディープなエリアを巡ってみましょう。
まず腹ごしらえに訪れたのは、上海料理の隠れた名店として有名な、歌舞伎町の『上海小吃(シャンハイシャオツー)』。映画「不夜城」のロケ地にもなった、いかにも妖しげな路地の奥には、まさにアジアの喧騒が広がっています。
【A】上海小吃
壁にびっしり貼られたメニューに、激しく飛び交う中国語、鼻をくすぐるお香の匂い。店内はまるで中国の路地裏にある食堂のよう。料理は日本人向けにアレンジせず、なるべく現地のままの味を再現。600種類を越えるメニューから何を選ぼうか迷ったら、お店のママ・玲子さんにおすすめを尋ねてみて。開店した‘92年当初は客のほとんどが中国人だったが、クチコミで日本人の間にもその評判が広まり、いまでは知る人ぞ知る人気店に。味はもちろん、この雑多な雰囲気にハマって通うファンも多い。
料理は手前から時計回りに、冬限定の「酔っぱらい上海蟹」1200円(小800円)。「茎レタス」1500円。「スペアリブの甘酢煮」1000円。「揚げパン」600円(小400円)。「豆腐の細切り」800円。
アジアのカオスな空気感が好きな人にはたまらないお店。店内の壁には中国語で書かれたメニューがびっしり。サソリやカエル、アヒルの血を固めたものなど、珍しい食材を使った料理にも挑戦してみて!
「店がオープンして以来、この路地からずっと歌舞伎町を見てきたよ」と話す玲子ママ。浄化作戦や新宿コマ劇場の閉館・東宝ビルの登場など、時とともに街の様子も大きく変化しています。
次に訪れたのは、歌舞伎町と花園神社の間にある飲食店街“新宿ゴールデン街”。 この街の歴史は、戦後、新宿駅東口にあったヤミ市がこの地に移動したときに始まり、現在も細い路地に約280軒もの店が営まれています。
カウンター中心のこぢんまりとしたお店が多く、いかにも常連さんが多そうな雰囲気に、なんだか敷居が高そう…と緊張してしまいますが、とりあえず、ゴールデン街初心者にも入りやすそうな雰囲気のバー『クリシュナ』にお邪魔しました。
【B】クリシュナ
赤い壁にエスニックなインテリアがエキゾチックなラウンジバー。ドリンクは100種以上、フードはアジア料理を中心に豊富に揃う。
写真はスパイスから調合して作る人気メニューの「キーマカレー」950円。
奥は「フルーツとくるみのチーズケーキ アイスクリーム添え」500円。カクテルは「シャンボールスパークル」980円。
ゴールデン街では珍しい広めの店内は、インドや中近東をイメージした空間。毎週火曜日は21時前後からベリーダンスのショーも開催中。
カウンターとテーブル、靴を脱いでくつろげる座敷があり、グループでの来店やゴールデン街デビューの人にもおすすめ。DJブースもあり、大人数の貸切イベントにも対応。ペット連れの入店もOK。
’60~70年代には、作家や映画、演劇関係者といったアクの強い面々が集い、毎夜熱く議論を交わす文化人の街として一躍有名になったゴールデン街。その後、再開発の話などで一時は存続の危機も囁かれましたが、最近は若いオーナーによる新しい店が増え、海外のガイドブックでも紹介されて外国人観光客が激増。
昭和のノスタルジックな街並みが魅力的と、ふたたび注目を集めています。
もっと刺激がほしい!という人は、明治通りを越えて、日本屈指のゲイタウン・新宿二丁目へ行ってみては。ここ数年は女性やノンケの人でも入れるカジュアルなお店が増え、気軽に足を運べる雰囲気へと変わってきています。
【C】ALAMAS CAFE(アラマスカフェ)
「ゲイもレズビアンも、ストレートの人も、いろんな人が出会えるコミュニティのような場にしていきたい」と話す店長。
カフェスタイルの店内は、二丁目が初めての人でも入りやすい雰囲気。入口にあるDJブースではDJプレイのほか、ときにはドラァグクイーンが出演するイベントも開催され、二丁目カルチャーの発信地的存在にもなっている。
写真は「ニコニコALAMASカレー」600円。8種のスパイスをブレンドした欧風カレー。季節を問わず人気の「モヒート」800円。食事メニューは「グリーンカレー」600円、「トムヤムラーメン」500円などのタイ料理や軽食が揃う。
週末ともなると、夜が更けるほどに店内は盛り上がり、この街独特の不思議な開放感に包まれてゆく。気さくなお店のスタッフにも積極的に話しかけてみて。
二丁目のおネエさんたちの赤裸々なトークに、堂々と手を繋いで歩く男性カップル、街に点在するゲイグッズのショップ…。そんな刺激的な光景に、つい目と耳が釘付けに。
でも、セクシャリティーや嗜好といったハードルを越えてありのままの自分を出す彼(彼女?)らの姿を見ていると、「人それぞれ生き方や好みが違っても、それも個性のひとつだわ!」と、妙に納得してしまうのが不思議。たまには違った目線で世の中を見てみると、今まで知らなかった新たな世界が開けてきそうな予感。
さて、楽しい時間はあっという間に過ぎて、気付けばすっかり朝に…。ディープな夜遊びの締めくくりには、新宿駅西口のガード脇にある“思い出横丁”で朝食、なんてコースはいかがでしょう。
今回ご紹介したお店は、ほんの一部。奥の深~い新宿の夜の魅力を、ぜひ自分の足で探してみてください。自分好みのお店を求めて通ううちに、どんどんその面白さにハマってしまいそうです…。
【
新宿 ディープな夜MAP】
【D】ニューハーフショー 歌舞伎町 黒鳥の湖
妖しく華麗なニューハーフショーに釘付け!
歌舞伎町で創業25年を迎えるショーパブの老舗。ハイレベルで妖艶なニューハーフショーは迫力満点で、盛り上がること確実。ショータイムの合間はニューハーフやダンサーたちとの会話も楽しめる。
【E】ロフトプラスワン
連夜マニアックなイベントを開催中
さまざまなジャンルのトークイベントやライブを見ながら、お酒と食事が楽しめる“トークライブ居酒屋”。イベント内容は音楽やお笑いから、政治、風俗、サブカルなど多岐に渡り、連夜マニアックかつ熱いトークで盛り上がる。
【F】CoCoLo cafe
新宿2丁目のオアシス的カフェ
さまざまな客層でいつも賑わうカフェ。フードやスイーツも充実しており、のんびりお茶したり、しっかり食事したりとあらゆるシーンで使える。週末は朝までオープンしているので、2丁目で遊んだ後に立ち寄る人も多い。
【G】つるかめ食堂
横丁の賑わいを眺めつつ名物メニューで1杯
昭和27年から新宿駅西口の思い出横丁で営まれる店。大豆と挽肉、豆腐をキーマカレー風に仕上げた「ソイ丼」500円ほか、多彩なメニューが揃う。定食のほか一品料理も充実しており、居酒屋感覚で利用する人も多い。
店名 | つるかめ食堂 |
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住所 | 東京都新宿区西新宿1-2-7 |
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電話番号 | 03-3343-4078 |
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