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ニューオープン・レビュー

百年ワンタン (中目黒/ワンタン専門店)
百年ワンタン

(中目黒/ワンタン専門店)

2014/7/15オープン

100年変わらぬ上海ワンタンの味をそのままに

つけワンタン

3種のつけダレで楽しむ「つけワンタン」。ワンタンは定番の「エビ」「ベジ」のほかに季節替りの「限定」もある。テイクアウト可

「ワンタン」というと、薄くひらひらした皮に小ぶりの餡を包んだものを思い浮かべる人も少なくないはず。でも、この店のワンタンは見た目から違う。そもそも、ワンタンは中国全土にある料理だが、地域によって餡も皮も形も異なる。なかでも、上海では主食として食べられるポピュラーなもので、ひと昔前まではどの家庭でも作っていた、いわばソウルフード。「自分の祖父母が作ってくれた100年前から変わらないレシピのワンタンをぜひ味わってほしい」と、『百年ワンタン』のプロデューサー・顧さんは語る。


スープワンタン野菜の甘味が染みた上品なスープと、素材の旨味がぎゅっと詰まったワンタンのバランスが絶妙な「スープワンタン」

 上海式ワンタンは、餃子とは違い、小麦粉にかん水や塩を加えて作る麺のような皮を使う。野菜と肉の配合はバランスよく、たっぷりと。これを独特の手法で包んでいく。茹で上げると、モチモチしながらもつるんと喉ごしが良く、みっちりと詰まった餡は食べ応え十分。ワンタンは定番の2種があり、「ベジワンタン」には小松菜・タケノコ・シイタケと肉、「エビワンタン」はある意外な野菜入りで、食感にアクセントを与えている。さらに、それぞれ「スープ」とタレを付けていただく「つけ」を用意。「スープワンタン」の澄んだスープは、野菜の旨味をじっくり引き出したダシに、ザーサイの塩気のみというシンプルさ。ここに大きなワンタンがたっぷり。「つけワンタン」は、和洋中を示す白味噌・オリーブオイルと黒酢・百年辣醤(辛味噌)といった3種のタレをお好みで。この辛味噌も自家製。大量のニンニクを使い、5種の漢方薬膳を加えて醤油で味付けした発酵調味料。ニンニクの臭みは全くなく旨味が引き立つ。ご飯に乗せて食べてもおいしい。


顧さん一家「おいしい上海式ワンタンをぜひ味わってみてください」と顧さん一家。和やかな雰囲気に魅かれて訪れる客も多い

 「100年前のレシピなので、化学調味料は一切使っていません。当時の上海料理は山海の幸を活かしたあっさりした味なんです」と顧さん。現在では本場でさえ、この味を守っている店は珍しいという。身体にもよく、本場のおいしさを伝える貴重な逸品だからこそ、多くの人に食べてほしい。そう願いつつも、顧さん一家3人で切り盛りしているため、今は1日50食分を作るのがやっとなのだとか。すでに評判は伝わり、近隣のサラリーマンがランチに来て、夜に小菜やお酒とともにゆっくり過ごし、週末は家族連れで賑わっている。


 店内を彩るセピア色の写真は、1920~30年代の“オールド上海”のもの。フランスの租界エリアだったため、優雅で上品な雰囲気が漂っている。「このワンタンを知っていただきたいのと同時に、古き良き時代・オールド上海にも興味をもっていただけたら嬉しいですね」。失われつつある文化を、食を通して伝え広めていく。食通の多い街・中目黒で、その思いが確実に浸透し始めている。


店内

16席というこぢんまりとした店内には、古き良き上海の風景が飾られている。眺めているだけでタイムスリップしたような気分に浸れそう

 
Data
百年ワンタン
住所:目黒区東山1-8-6 サンロイヤル東山1F
電話番号:03-6412-7900

撮影:山村佳人  取材・文:伊勢嶋暢子(編集部)
このページのデータは2014年8月29日現在のものです。

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