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ニューオープン・レビュー

日本料理 晴山(三田/日本料理)
日本料理 晴山
(三田/日本料理)

2011/6/20オープン

岐阜の四季が織り込まれた料理を東京で味わう贅沢

稲庭うどんをアワビの肝で絡めた「鮑うどん」。利尻のウニと沖ノ島のアワビの地味や食感のコントラストを楽しめる逸品。涼やかなジュレ状のダシが素材の味を際立たせている

駅から離れた場所には人に教えたくない隠れ家が集う。食を楽しむ人たちがわざわざ訪れるお店がそこにあるのだ。そんな場所のひとつ、高級住宅地にほど近い三田と白金の間にひっそりと佇む『日本料理 晴山』は、自信をもって誕生した。


椀物「たいら貝と枝豆の真丈」。三河産たいら貝、天然車海老、加賀太瓜、ひろうすを盛り、三つ葉、ミョウガ、柚子で風味付け。出されたときに自然と心が躍る繊細な美しさも日本料理ならでは

ご主人の山本晴彦氏は31歳という若さ。出身は関東だが、中学生のころには料理人を志し、日本料理を学ぶ。調理師学校でその味に惚れこんだ講師に薦められ、岐阜の名料亭『たか田八祥』に入店。12年の歳月で磨き上げた腕に、山本氏ならではの独創性を加え、この6月に晴れて東京に店を構えた。カウンター席と板場は高さが同じで、距離は驚くほど近く、腕に自信がなければできない造りになっている。「ライブ感を演出したかったんです。ほどよい緊張感もありますし」と山本氏。店に入ってすぐ正面には焼き場があり、その奥の一段下がったところに厨房。職人の動きをすべて見せてしまうのも、お客に対する真摯な姿勢の表れだろう。包丁の入れ方ひとつ、最後の盛り付けひとつ、どれをとっても流れるような無駄のない所作で、カウンターという特等席の醍醐味を味わえる。


三之橋通りから階段を下りると、石造りの入り口に辿り着く。穏やかな陽光が差し込み、しっとりとした静寂に包まれている

昼・夜ともにコースのみ。基本の流れは同じだが、その日の仕入れによって献立は変わる。他店との違いは岐阜の食材を中心に用いている点。素材の扱い方や特徴などを熟知しているので、ごく自然な選択だったのだ。米、野菜、山菜、長良川の鮎などを取り寄せるほか、築地で仕入れる食材を、培ってきた経験で調理していく。厨房に立つ料理人も皆『たか田八祥』で経験を積んでいるので、ぶれることのない味を作り出すことができる。それでも、土地が変われば難しいのはやはり水。素材の旨みを引き立たせる日本料理だからこそ、米を炊く時、ダシを引く時、顕著にその味が違ってくるため試行錯誤を繰り返したそうだ。


山本氏曰く、東京は食空間を楽しんでいる人が多いという。「まずはお客様に喜んでいただきたいですね。今は地道に続けるだけです」と謙虚に語る。近隣の人も訪れるが、すでに噂を聞きつけて遠方からやってくる人も多い。「始めるのは簡単、続けるのが難しい」という若き店主の挑戦が、始まったばかりだ。

白い壁に黒いカウンターのシックでモダンな空間。随所に美濃焼や水うちわといった岐阜らしさをあしらっている。柔らかな趣の個室空間もある

 
Data
日本料理 晴山(ニホンリョウリ セイザン)
電話番号: 03-3451-8320
住所: 港区三田2-17-29 グランデ三田B1

撮影:山村佳人  取材・文:伊勢嶋暢子(編集部)
このページのデータは2011年8月31日現在のものです。

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