今、行くならこのお店




今、行くならこのお店
ニューオープン・レビュー
2008/12/16オープン
パリの食通も虜にした若きシェフの絶品クロワッサン

看板商品のクロワッサン。パリツ、サクッと軽やかな食感は、27層にも織り込んだ生地から生まれる。かみしめるほどに発酵バターの香りが口いっぱいに広がり、至福の味わい
パン好きたちの間では早くも噂になっているブーランジェリー&カフェが、代々木上原にオープンした。店名の『マン・マーノ』とは、手作りという意味のフランス語とイタリア語を組み合わせた造語で、手と手を繋ぎたいという意味が込められている。オーナーは31歳という若さで、製パン歴はなんと20年という、実力派製パンシェフの毛利将人氏だ。

毛利氏は、小学生の時からパン作りの魅力に目覚め、21歳でパン職人を志し単身フランスへ渡航。言葉に慣れない当初は、髪を切りにいくのも怖くて、長髪姿で辞書を片手に1日9時間、必死に語学を勉強したのだとか。その後、パリ、ベルギー、イタリアで修業を積んだ後、300年の歴史を誇るパリの五ツ星『ホテル・ド・クリヨン』へ入店した。わずか半年で、日本人初となるトップ製パンシェフの座を獲得し、毛利氏の手によるパンのデザートが、毎日90皿以上もオーダーされるほどパリの食通たちを魅了したそう。とにかくパン作りが楽しくて仕方なかったと、熱をこめて話す姿が印象的だ。

店自慢のクロワッサンは、焼き上がりとともにすぐ売り切れてしまうほどの人気で、その秘密は、ほおばるごとに「パリッ、サクッ」とほどける心地よい食感と、口いっぱいに広がる発酵バターの豊かな香り。小麦、水、バターのすべてにこだわった最高の素材や、3日間かけて生地を熟成させるほかにはない製法、生地を27層にも織り重ねて焼き上げるなど、どれも20年のパン作りから生まれた、毛利氏オリジナルのこだわりが詰まっている。さらに、麦の作り手やバゲットなどを配したエンブレムのデザインがおしゃれな持ち帰り用の紙袋は、サトウキビを搾り終えたあとの繊維バカスを活用した再生紙によるもの。細部にいたるまで大切にていねいに、愛情の行き届いた『マン・マーノ』のパン、ぜひとも一度ご賞味あれ。

エビアン水や石臼挽きの全粒粉など、素材のひとつひとつを吟味して丁寧に焼き上げたパンの味は格別。店内にはコーヒーと一緒に楽しめるカフェスペースもある
電話番号: 03-6416-8022
住所: 渋谷区西原3-6-5 CRD代々木上原1F
このページのデータは2009年2月27日現在のものです。