オリーブオイルで1~2時間煮て、炭火で表面に香りをつけた「ぶつ切り鯖」は、塩とブラックペッパー、バジル、レモンのシンプルな味付け。レモンは焼くことで甘みが増す
『東京トンテキ』をはじめとする数々の飲食店を手掛けてきた並川氏による、新たな形態のビストロが誕生した。看板料理は「炭焼コンフィ」。コンフィとは、低温の油でじっくりと煮て食材の旨みを閉じ込める調理法で、ここからさらに炭火で表面をパリッと炙り、香ばしい風味を加えるアイディアは『MARZAC』ならではだ。
「ラムチョップ」は骨付き仔羊肉が2本供される。ラードでじっくり煮込まれた肉はやわらかくジューシー。アンチョビとニンニクがたっぷりのオリーブソースとの相性は抜群だ
例えば「ラムチョップ」は骨付きの仔羊肉をラードで5~6時間、「ぶつ切り鯖」はオリーブオイルで1~2時間しっとりと煮込み、炭火で仕上げる。今までにない食感や味わいに一度でファンとなり、週に何度も足を運ぶ常連もいるほど。柔らかなモモ肉を岩塩やホースラディッシュとともにいただく「和牛イチボ」も人気。特製濃厚肝ソースが決め手の「やわらかするめ」(650円)は赤ワインとの相性抜群だ。
フレンドリーなスタッフの面々。「スタッフもお客さんも一緒にワイワイ、仲間のような距離感で接し合える、居心地のよい店にしたい」と代表の並川氏
そのほかに、常時5~6品用意されているその日のおすすめメニューも人気。さまざまなコンフィを刻んで入れた甘くないケーキ「コンフィのパウンドケーキ」や、骨まで食べられる「いわしのコンフィ」など、この店でしか食べられない料理がずらりと並ぶ。また、日替わりで2~3種揃えているパンや料理に使われるソースなどは、すべて自家製。「高級食材などは使わず、どの料理も手軽な価格で」がモットーだが、「手間暇をかけきちんと作られたおいしい料理を食べてほしい」と並川氏は話す。手ごろな価格は、アルコール類も同様。店内の壁にずらりと並んだ、50種以上200本近くのワインはグラス500円~。生ビールも400円と普段使いしやすい価格帯に抑えている。
木の床やカウンター、黒の天井など落ち着いた色調でまとめられた店内は、壁一面のワインセラーが印象的。炭焼コンフィとワインを気軽に楽しみたい
営業時間は朝の4時まで(日祝は23時)とあって同業者の来店も頻繁で、価格の安さやコストパフォーマンスのよさに驚かれるとか。22時~24時ころの入店が最も多いという。30人程度で貸し切ることもでき、幅広い用途で利用できそうだ。
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